お互いの命を尊重し合う社会の実現のために
近年、私たちの社会では、子どもの自殺や子どもによる殺人、若者の集団自殺など、悲しい事件が多発しています。
世界を見れば、戦争やテロ、暴力や環境破壊が続き、子どもたちに命の大切さを教えるどころか、命の軽視を間接的に教えているのが現実のように思えてなりません。
すべての人は生まれながらにして「命をいとおしみ慈しむ心」をもっています。
しかしながら、この「命に対する尊重意識」を育て、開花させるには、現代社会はあまりに困難な状況にあると思います。
平和で豊かな社会を築くために、私たちは環境問題、人権問題、保育、教育、介護、政治活動、経済活動 等など、さまざまな問題に立ち向かい、活動し、従事しなくてはなりません。
それらのあらゆる活動の根幹に「社会を構成する私たち一人ひとりが『命の尊さを知る』」という根源的な課題があると私たちは考えています。
お互いの命を尊重し合う社会の実現のために、自分の命、そして他の人の命を尊重する意識を育て開花させるきっかけを作りたいとの願いのもと、「命の声を聴く自己尊重トレーニング」の実践を、社会のあらゆる場のあらゆる年齢層の人々を対象に広げていくことにしました。
そして、その実践母体として、「特定非営利活動法人自己尊重プラクティス協会」を設立いたしました(2003年4月設立)。
「一般社団法人自己尊重プラクティス協会」に変更(2015年11月)。
コンセプト〜自己尊重とは〜
自分の命、自分の存在を肯定し尊重する、ということです。尊重という言葉を「愛をもって大切にする」と言い換えてもいいでしょう。
「自分をいとおしみ、大切にする気持」が自己尊重感(セルフエスティーム)です。
「自己尊重トレーニング」は、自己尊重の気持(意識)を育てるためのトレーニングです。
言い換えると「生まれてきて生きている自分を肯定し、命を大切に扱う気持を育てるトレーニング」です。
「自己とは」
ここで言う自己とは、「自分が知っている自分」についてだけ言うのではありません。
とかく、自分が知っている自分の性格や能力、感覚、感性、感情、また学歴や、取得した資格、容姿、収入、地位などを「自分のすべて」だと思いがちですが、そうではありません。
「自分が知らない自分」「気がついていない自分」も自分なのです。
たとえば「秘められている能力」「潜在している愛や意識」「無限の可能性」なども含めて自分なのです。
「命とは」
そういう自分の心と体と、先天的に備わっている計り知れない能力や意識、神秘なもの、すべてで一つの「自分の命」なのですから、命というものは、私たちが思っている何百倍も、何千倍も深く大きいものだということを、認識していただきたいと思います。
そういう深く大きな無限性を持った自分を尊重しないで粗末に扱うとしたら、大変もったいないことだと思います。
自分の命をいとおしみ慈しむ心は、すべての人が先天的に持っているものです。
自覚できない場合はまだ潜在しているだけのことです。
自分の命を否定的にとらえている方でも、トレーニングによって「自己尊重感」はしっかりと心の中に育っていきます。
自分の命が大切に感じられたら、他の人の命も尊いと感じられます。
これは頭の理解でわかるのではなく、意識レベルでわかることです。
また自分を含め、人の命の大切さが意識レベルでわかると、自然界のあらゆる命に対しても、いとおしさが増し、大切に思う気持ちが大きくなってきます。
自己尊重感を高めることは、すべての命に対する尊重感を高めることなのです。
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